
おはよ~おやつくれ
朝からそれか~い

シニア犬になると、「ご飯を残す」「フードに興味を示さない」といった行動が見られるようになります。一方で、おやつには反応し、喜んで食べるケースが多く報告されています。このような行動には、加齢による身体的・心理的な要因が複雑に関係しています。本記事ではシニア犬がご飯にあまり反応しなくなる要因と対策について書いています。
この記事がおすすめのわんこ
【シニア前期】対象:食に対する反応の変化が見られ始めるシニア期前半のわんこ向けの記事です。
老犬がご飯を食べないでおやつは食べる理由
加齢による味覚・嗅覚の低下が原因
老化に伴い、犬の味覚・嗅覚は徐々に低下していきます。特に嗅覚は食欲に直結する重要な感覚で、香りが弱いフードは興味を示されにくくなります。ごはんの匂いがわからない=「食べ物」と認識されないということもあるのです。
その点、おやつは香りが強く、味付けも濃いため、嗅覚や味覚が衰えていても「おいしい!」と感じやすいのです。また、やわらかく食べやすいおやつも多く、シニア犬にとってはご飯よりも魅力的に映ります。
老化によるわがままや頑固さなど心理的原因
老化で食が細くなったわんこに何か食べてもらいたいと思うあまり、飼い主がおやつをあげて喜んだりしてみせると「ご飯は食べなくても、おやつをもらえる」と学習してしまっている可能性もあります。シニアわんこになって性格が頑固に変わる、わがままになることは珍しくありません。そういったことも影響しているかもしれません。

おやつ食べるためにごはん残してる?
・・・(ギクッ)

ご飯を拒む原因が病気や体調不良の可能性も少なくありません。歯の痛み、胃腸の不調、肝臓・腎臓の疾患などがあると、固形のご飯を避けるようになります。おやつは食べられるのにご飯は拒否するということが続く場合は、まずは病院で異常がないか診断してもらうと安心です。
おやつは食べる老犬がご飯を食べない時の対応・対処法
飼い主ができる食事の工夫と対応策
病気や体調不良が原因ではなく元気でおやつを食べているなら、重篤な病気の可能性は低めですが慢性的な栄養不足は心配です。少しずつでも総合栄養食を食べてもらうためにはいろいろ工夫して試してみましょう。
フードの量や回数、食事の時の姿勢を工夫する
シニア犬には1日2回の食事より、少量を数回に分ける方が消化吸収に優しくなります。フードを少量ずつ出して様子を見てみましょう。
また首や腰に負担がかかっていると食事の姿勢を取るのを嫌がります。わんこの食事の様子を観察してみて、ためらう素振りが見られたら食器の高さを調整することも重要です。

おじいちゃんは食事台を使ったら良く食べるようになったよね
実は首が痛かったのよ

手であげると食べる時はとことん食事に付き合う
信頼している飼い主の手からなら、安心して食べるシニア犬も多いです。スキンシップの一環として、手であげるのもひとつの方法です。また飼い主がドッグフードを食べるマネをするのもとても効果があります。

ぱくぱくぱく・・・うまい!
あっ、わしのごはん・・・。

お気に入りのおやつを利用してご飯を与える
おやつは食べるなら、そのお気に入りのおやつをトッピングとして少量ずつ活用することで、フードへの食いつきが改善される場合もあります。
また、ごはんとおやつを交互に与えるのも有効です。フードをひとくち食べたら次はおやつを少量与える、を繰り返すことによってわんこに『ごはん(いつものフード)は食べなければいけないもので食べると飼い主が喜ぶ・褒められる』というふうに改めて認識させます。性格が頑固に変わったシニア犬でも飼い主に褒められるのはとても幸せなことなのです。
手作りごはんやトッピングを取り入れる
無塩の鶏ささみや温野菜など、香りが強く安全なトッピングをフードに添えるだけで食いつきが変わる場合があります。おやつの嗜好性に反応するわんこには効果がある方法です。また飼い主の手作りごはんを取り入れてみるのもおすすめです。少量の手作りフードをきっかけに『食べることのスイッチ』が入ることもあります。
ドッグフードの種類・食感を変えて選択肢を増やす
シニア犬向けのやわらかいフードや、香り・味の強いウェットタイプだと食いつきが良くなる場合があります。中には「おやつのようなご飯」もあり、嗜好性と栄養を両立できますので上手に利用してみましょう。
我が家も現在進行形でごはん迷走中です。
飼い主のためのネット情報の活用
ネットで人気の工夫事例
シニア犬の「ご飯を食べない」問題は、多くの飼い主さんが直面する共通の悩みです。ここでは、実際に困った経験を乗り越えた方々の体験談や、SNS・ブログなどで紹介されている具体的な成功例・工夫例をご紹介します。
■ 実際の飼い主さんの体験談
- ケース1:ささみの香りで食いつき改善(13歳/小型犬)
「ドライフードを全く食べなくなったうちの子に、無添加のササミを湯がいて細かく裂いたものをトッピング。香りに反応して完食!それからは“香りトッピング”が我が家の定番になりました。」 - ケース2:食器の高さを変えてラクに食べられるように(15歳/中型犬)
「首を下げるのがつらそうだったので、100円ショップの木箱を使って食器を高くしたら、スムーズに食べるように。姿勢ひとつでこんなに違うとは驚きました。」 - ケース3:食事中に優しく声をかけて安心感を(14歳/大型犬)
「年をとってから不安が強くなったのか、ご飯を前にしても食べずにソワソワしてたんです。横に座って“おいしいね~”と声をかけながら手であげたら、安心したのかパクパク食べてくれました。」
■ 人気のSNS・ブログで話題のアイデア
- X(旧Twitter)でバズったアイデア:冷ましたお味噌汁を少しだけフードにかける
「無添加で塩分なしの手作り味噌汁をスプーン1杯だけフードに。香りが引き立ち、食欲が戻った」という声が多く、手軽に試せる方法として話題になっています。 - Instagramで注目:1週間分の手作りフードを冷凍ストック
手間はかかるけれど、「作り置き+解凍で時短」できるスタイル。素材はささみ、かぼちゃ、人参などを刻んで煮たものが人気。 - YouTubeチャンネル:老犬向けごはんの動画が多数
シニア犬の食事に関する多くの動画がYouTubeで配信されています。温め方や食材の切り方など細かいポイントまで紹介されていますので参考にしてみてはいかがでしょうか?
他の飼い主さんの実例を知ることで、「うちの子だけじゃない」と安心できたり、「それ試してみよう!」と具体的な行動に移せたりします。また、試行錯誤の過程を共有できること自体が励みになります。
まとめ
シニア犬がご飯を食べずにおやつばかり欲しがるのは、加齢に伴う味覚・嗅覚の衰えや体調・心理的な変化などが原因であることが多いです。飼い主としては、原因を見極め、必要に応じて工夫や医療的なサポートを行うことが大切です。
わんことの時間を少しでも長く、幸せに過ごすために、毎日の「食」を大切にしていきましょう。