
おじいちゃん、後ろ足震えてる~
ひ~階段キツイ・・・

「最近、うちの子の歩き方がちょっと今までと違う?…」
シニア犬と一緒に過ごしているとそんな違和感を覚える瞬間があってドキッとしますよね。
今回は、シニア犬の後ろ足が弱ってきたときに、自宅で無理なくできる簡単なマッサージ法と生活の工夫です。
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【シニア前期】対象:お散歩や段差などに少し不安が出てきたシニア前期のわんこ向けの記事です。
老犬の後ろ足が弱る原因とは?
加齢による筋力低下とそのサイン
シニア犬になると、運動量が減って筋力が落ち、特に後ろ足がふらつくようになります。
・歩くスピードが遅くなった
・お尻がふらつく、床ですべる
・ジャンプや階段をためらう、嫌がる
などは、筋力低下のサインです。
飼い主の直感はとても大事です。「前よりつまずきやすい」「散歩を嫌がる」といった小さな変化にこそ、体のSOSが隠れていることもあります。
介護士ポイント
「ただの年のせい」と見過ごしてしまうと、椎間板ヘルニアや関節炎などが進行することも。
左右で足の太さが違ったり、触ると痛がったりする場合は、早めの受診が安心です。
飼い主にもできる!老犬の後ろ足に優しいリハビリマッサージ
マッサージ前に確認すべき愛犬の体調
いつもと変わった様子はないか、足を触って嫌がらないか確認しましょう。病気やけがのサインは見逃さないようにします。病気やけがのサインがないのに嫌がる場合は無理してマッサージせず、別の日にトライしましょう。
毎日5分!やさしい基本のマッサージ法
- 温かい手で後ろ足を軽くなでて血行を促す。
- 太ももから足先にかけてゆっくり5回、優しくもみほぐす。力を入れすぎないように注意してください。
飼い主が「気持ちいいね〜」などと声をかけながらマッサージすることで安心してくれます。後ろ足だけでなく、前足や首回りもできるだけ毎日マッサージできると良いですね。

お散歩前の準備運動になるマッサージ法
軽く足を曲げ伸ばしすることで、関節の柔軟性を保ち、筋肉の硬直を防ぐ効果があります。急激に体を動かすのはわんこの体に負担をかけますのでお散歩前にマッサージであらかじめ筋肉をほぐしておくと転倒やケガ予防にもなります。以下の流れで、無理のない範囲で行ってみましょう。
- 各足をゆっくりと曲げ伸ばし。犬の関節は縦方向にしか動かないため屈伸させる際は前後の縦方向のみ動かします。横に開かないように注意しましょう。
- 足裏の肉球部分もほぐしてあげましょう。中から先端へ、肉球の間も親指を使いやさしくもむことで末端の血流も促進され衰えを防ぎます。

この動きに慣れてきたら、次のステップにチャレンジしてみましょう。
ワンランク上のケア!やさしいストレッチと抵抗運動
マッサージに慣れてきたわんこには、軽いストレッチや簡単な筋トレ要素を取り入れることで、より高いリハビリ効果が期待できます。
後ろ足のやさしいストレッチ
- 足の付け根を持ち、後ろにゆっくりと伸ばして数秒キープ(痛がらない範囲で)
- 元の位置に戻す時も丁寧に
- 左右交互に1〜2セット行うだけでも、関節がほぐれやすくなります
散歩から帰った後の足拭きの時間などを利用して行うと、わんこの身体も温まっていて無理なくストレッチできます。
わんこ自身で筋肉に力を入れる「抵抗運動」
抵抗運動は、老犬の筋力維持や関節の可動域を広げるために行うリハビリの一種です。犬自身の力で関節を動かしながら、適度な負荷をかけることで筋肉を刺激し、衰えを防ぐ効果があります。老犬のQOL向上に役立つシンプルなケア方法のひとつですね。
- 肉球を軽く触ることで、犬が自発的に足を引っ込めたり伸ばしたりする動きを促します。
- 足を拭く際などにわざと数回引っ込めさせることも簡単な抵抗運動になります。
このように、基本のマッサージ+少しステップアップしたケアを組み合わせることで、わんこの後ろ足の機能をやさしくサポートすることができます。
リハビリは「続けること」が一番大切なので、飼い主さんも無理なく続けられるスタイルを見つけてみてください。
嫌がるときは中断してOK。「楽しいスキンシップの延長」が理想です。焦らず、少しずつ慣れていきましょう。
リハビリとあわせてできる!後ろ足をサポートする生活の工夫
フローリング・段差の対策と歩行補助グッズ
滑りやすい床は老犬の大敵です。今一度、普段わんこがいるお部屋の中を見渡して安全に過ごせるかどうかチェックしてみてください。
・フローリングの床には滑り止めマットを敷く
・低めの踏み台を使って段差をカバー
・足の不安定さが増してきたら歩行補助ハーネスも有効
足裏の毛のお手入れも忘れずに
トリミングの間があくとわんこの足裏の毛が伸びてきて滑りやすくなります。


肉球の間の毛をカットしてあげるだけでも滑りにくくなって効果があります。カットするときははさみの先が肉球に当たらないように注意しながらやりましょう。
食事・体重管理で負担を減らす
体重が増えると、後ろ足や首への負担も増します。体重管理が必要なわんこはシニア期用のフードやカロリーを抑えたフードに切り替えて足や関節にかかる負担を減らしてあげるとよいでしょう。
散歩はできるだけ続ける
短時間でも毎日の散歩は大切です。足が弱っているからと言って家でじっとしているのはおすすめできません。足腰に優しい散歩を続けるようにしましょう。
・芝生や土の上を選ぶと関節にやさしい
・途中で抱っこを挟んでもOK
・日によっては「お庭やベランダで日向ぼっこ」でも十分
体験談:マッサージに慣れ過ぎたおじいちゃんチワプー
はじめは嫌がったけど、今では催促
最初は横になっているときに足先を触られるのが嫌みたいで抵抗していましたが(抵抗運動ですね)少しずつ慣れてきたようで、信頼度が増すにつれ、足先や肉球、しっぽの先まで触らせてくれるようになりました。
今ではマッサージに慣れ過ぎて自分から催促するように足を投げ出す時もあります。相当気持ちいいんでしょうね。

いつものやつ、やって
よしよし

病気の治療はお医者さんに任せるとしても「日々のケア」は飼い主にしかできません。毎日のちょっとした時間が、シニア期のわんこにとって大きな支えになります。
わんこの「今」を大切に
後ろ足が弱くなってきた老犬を見ると、つい不安になってしまいます。でも大切なのは今できることを、できる範囲で続けること。
マッサージは、飼い主にも老犬にもやさしいケアです。身体だけではなくて心のケアにもつながります。
ぜひ、今日から始めてみてください!